この記事を書いている人
山口健太(やまけん)
一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会 理事長、心理カウンセラー。

自身が会食恐怖症に悩んだ経験から、その悩みを解決する為の支援活動をしている。年間延べ1000人以上の相談に乗るなど、これまで沢山の会食恐怖症に悩む人と実際に会い、リアルな生の声を聞いてきた。活動はこれまで、日本経済新聞、Yahoo!ニュースなど、多数のメディアでも紹介される。

著書に『会食恐怖症を卒業するために私たちがやってきたこと(内外出版社)』などがある。

「会食恐怖症からくる不安や恐怖、
 吐き気や緊張をなるべくすぐにおさめたい!」



この記事は、

そんな状況下にあったり、
そんな状況下を対策する為のものです。



私が皆さんに目指して欲しいのは
「根本的な解決や克服」はもちろん、
人目を気にせず伸び伸びと、
生きたいように生きもらう事です。



しかし今回は、

「今は、そんな事言ってられない!」
「まずは目先に乗り越えなきゃならない困難がある!」


そんな人の為に、
比較的すぐできる対策方法を5つ提示しました。



以下より、
ぜひぜひお試しください。


1.”回避”が対策ではない理由

まず、
困難を避ける為には、

「どうにか理由をつけて会食に行かない」

というのも
1つの選択肢としてはあり得ますよね。



しかしながら、

会食恐怖症の克服には、
「実際に人とご飯を食べる事に慣れる」
というのは避けられません。


これがなぜかと言いますと、
たしかに会食に行かなければ、
一時的に不安や恐怖に襲われないでしょう。



ですが、

それは裏を返せば、
「会食に行くと不安に襲われる」という思考を、
さらに強固にしてしまう事になるからです。




それゆえ、
「回避」というのは、
対策の1つには入りません。



もちろん、

本当にダメな時は、
無理に行かなくても良いと思いますし、
あなたの本質的な価値は揺るぎません。



ですからここでは、
「回避は根本的な解決から遠ざかっている」
という事を1つ知ってもらえば、とりあえずOKです。

2.緊張や吐き気が起こるメカニズム

そして会食恐怖症は、
  • 過度な緊張
  • 吐き気
  • 胃のムカつきや不快感
  • 口の渇き
  • 嚥下障害(飲み込めない)
などの症状が、
かんじがらめになって襲ってきます。



そこで知っておいて欲しいのは、
「なぜ、そうなってしまうのか?」という事。

もっと具体的に言えば、
「その時、体には何が起きているのか?」という事です。



そしてここには、

「全ては脳によってコントロールされている」

という事実があります。



ちょっとだけ具体的に解説すると、

まず人には自律神経というのものがあり、
これが脈拍や血圧や発汗などを調整しています。


そして、
自律神経には、
  1. 交感神経
  2. 副交感神経
の2つがあるのですが、

副交感神経が優位な時に人は緊張が和らぎ、
交感神経が優位な時に人は緊張が強くなります。


交感神経と副交感神経の違い
ですから、
会食恐怖症の症状がひどい時っていうのは、
交感神経が優位になっている時とも言えるのです。



なので、
副交感神経が優位な状態になれば、
不安や緊張が収まっていき、
吐き気などの症状もマシになっています。




会食恐怖症に悩む方の中には、
身近な人や、信頼している人相手だったら、
ご飯を食べられる人もいると思いますが、

それはリラックスしている
⇒副交感神経が優位になっているからこそ、
症状(吐き気、口の渇き、嚥下障害…etc)が起きないのです。

3.吐き気や緊張をやらわげる5つの対策法

さて、ここからその考え方を軸に、
会食恐怖症の症状を緩和する方法を書いていきます。



ここでは5つ対策法を提示していますが、
効果の強さや人によって合う合わないがありますし、
状況によって使い分けたり、併用してもらう事も可能です。



その点に注目しながら見てみてください。

対策法1.腹式呼吸(丹田呼吸法)をする

まず、
手軽に誰でも出来て、
効果が高い方法として、

「腹式呼吸(丹田呼吸法)をする」

というのが挙げられます。




「ふぅ〜〜〜・・・・・・」



「すぅ〜〜〜・・・・・・」



・・・こうやって深呼吸を繰り返しいくと、
なんだかリラックスしていきますよね?



そして、
ただの深呼吸よりもオススメなのが、
丹田を意識した腹式呼吸です。



これ意識することで、
より深い呼吸ができるようになり、
リラックス効果も高まります。



実際、丹田呼吸は私自身も、
人前で喋る機会があったりなど、
緊張を強く感じてるときには、
今でもけっこうよくやります。

丹田呼吸法のやり方まとめ:
  1. 呼吸をする前に、姿勢を整えます。
    頭の頂上と尾てい骨が縦一直線になるよう意識すると、
    顎が引き、胸が開き、深い呼吸をしやすくなります。

  2. 丹田(へそ下7.5cm)を意識して、
    息を全てゆっくりと吐き切ります。

  3. しっかりと吐き切る事が出来れば、
    吸おう意識をしなくても自然と空気が体内に入ります。

  4. 丹田と吐き切る事を意識しながら、
    10秒に1呼吸のゆっくりの間隔で呼吸をします。

  5. また、吐く際は心の不安を体内から放出するイメージ、
    吸う際は光のエネルギーが体内に入るイメージをします。

対策法2.ストレッチをする

次にストレッチをするという方法ですが、
筋肉をほぐして血行をよくする事によって、
副交感神経が優位になり、リラックスする事ができます。




ゆっくり呼吸をしながら、
背筋をのばしたり、
首や肩を回したりすると、
気持ち良さを感じると思いますが、

そのくらいでも良いので、
ストレッチによって筋肉をほぐして
リラックスをしましょう。


誰でもすぐにできて、簡単な方法ですね。

対策法3.爪揉みやツボ(内関)を刺激する

次はどちらも東洋医学的なアプローチですが、
爪揉みやツボ押しです。



まず、爪揉みですが、

爪というのは体の末端であり、
たくさんの神経線維が通っている場所なので、
ここを刺激することで自律神経の乱れを取ってくれます。




やり方:
上の赤い部分を10秒ほど押して刺激するのみ
(できるなら足もやると効果アップ)
ちなみに、

薬指の爪を刺激すると、
交感神経が優位になってしまうので、
リラックス目的だったら
「薬指は揉まない方が良い」とも言われています。




次にツボ押しですが、
手首ところに「内関(ないかん)」というツボがあり、
ここを刺激することによって、
胸や胃にの不快感を治す効果があります。

内関(ないかん)のツボの位置
(赤い部分が内関)

内関の位置の把握や押し方などは、
こちらの記事が分かりやすかったので、
気になる方は一度読んでみてください。

対策法4.小さな一歩!行動実験と捉える

さて、ここまでは、
「こうすればいいよ!」というような
比較的すぐに誰でもできる対策でしたが、
ここでは「考え方」に着目していきます。


対策方法その4は、
「行動実験として捉える」という事です。



会食恐怖症の克服を自力でするための5ステップ(音声付き)
などでも解説したとおり、
会食恐怖症を克服するには、
「実際に会食に慣れる事」が大切です。


しかし、

いきなり完全な状態
(=誰とでも楽しく会食ができる状態)になるのは、
症状がひどい状態であればあるほど難しいです。


だからこそ、
先に紹介したできる事を実践した上で、
会食機会を克服の為の
トレーニングとして捉えましょう。




捉え方としては、

「今日は、会食機会から逃げなかったぞ」

「今日は、ちょっとだけだけど、食べることができたぞ」

「今日は、食べなくても別にいいや、と思えることができたぞ」


みたいに、
その人の状態によって
目指すべき所は違うでしょう。


そして、そのように、
少しでも前に進んだ自分を、
心から褒めてあげるのがとても大きなコツです。




会食恐怖症を含め、
社交不安障害の人は、

「あぁ、やっぱり今日もダメだった」

という考えに陥りがちです。


しかし、
考えてもみてください。


もし仮にですが、

あなたの大切な人が、
会食恐怖症に悩んでいて、
いつも会食の機会を避けていたとします。




ですが、ある日、
絶対に会食しなきゃない機会があり、
それに頑張って行って帰ってきたとしたら・・・


「よく、がんばったじゃん」とか
「前進したね、すごいじゃん」とかって、
褒めてあげたい気持ちになりませんか?




ですから、

まずは自分自身の小さな一歩に対しても、
そのようにポジティブに捉える練習をするわけです。




そうしていけば、
必ず少しずつよくなっていきますし、

「これはトレーニングなんだだ」と捉える事は、
「別にいま完璧じゃなくていいんだ」という風に
自分を受け入れる事にも繋がります。



なので、
このような考え方を採用すると、
不安が和らぐ効果があるのです。

対策法5.薬を服用する

「ここまで紹介した対策をやってみたけど、
 良くならずにもう諦めてしまいたい・・・」



そういう状態になったのであれば、
病院に行き薬をもらって服用する
という方法もあります。


抗不安薬などは、
すぐに効果が現れる特徴がありますが、
副作用や離脱症状が心配されます。

なので、
服用される際は信頼できるお医者さんの指示のもと、
必要以上に慎重に治療を進めていってください。




会食恐怖症の薬については、
会食恐怖症は薬で治る?効果や副作用についても
を参照してみてください。

4.基本的には根本的な解決や克服を考えよう

ここまで
「できるだけ即座にできる対策」
を書いていきましたが、

基本的には根本的な解決や
克服を目指す事をオススメします。




それはたとえば、
「自律神経の乱れ」という点であれば、
生活習慣を整えることもそうです。



具体的に挙げると・・・
  • 早寝早起き心がける
  • 体に良いご飯をしっかり食べる
  • 定期的な運動をする
  • しっかりと入浴する
  • お酒やタバコを控える
などですね。



そして、

自分の世界の見方(認識)を、
良い方向に変えていくトレーニングも必要ですし、

それをすることで会食恐怖症の克服を超えて、
自由にのびのびとした人生を生きていく事ができます。



実際、薬物療法よりも、
精神療法によるアプローチの方が、
再発率なども低い事が明らかになっています。


最終的には、
「明るく楽しく食事ができる」だけではなく、
人との関り自体を心から楽しんだり、
あるいは恵まれたご縁に感謝できるような、
心地の良い人生を一緒に目指していきましょう。

5.最後に

いかがでしたか?


今回はすぐできる対策を沢山挙げたので、
そういう状況下に置かれた時は、
まずはできるところからやってみましょう。



この記事が何か、
参考になれば幸いです。


こちらの記事も読んでみてくださいね。

会食恐怖症が治った話を、時系列順で書いていく。

2017.01.08


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山口健太(やまけん)

一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会 理事長、心理カウンセラー。自身が会食恐怖症に悩んだ経験から、その悩みを解決する為の支援活動をしている。日本で初めて会食恐怖症の本を電子出版し、Amazonジャンル別ランキング1位獲得。年間延べ1000以上の相談に乗るなど、これまで沢山の会食恐怖症に悩む人と実際に会い、リアルな生の声を聞いてきた。