なぜ、
社交不安障害(SAD)は発症するのか?
それについては、
さまざまな見解があるのですが、
大きく分けると2つあります。
それは、
「遺伝的な要因」と「生育環境的な要因」です。
そこで今回は、
私の経験談を交えながらその2つの原因についてと、
「症状が悪化してしまうメカニズム」
についても解説していきます。
なお、この記事は、
「社交不安障害とは?症状を例に分かりやすく解説(チェック付き)」
を先に読んでいただいた方に向けて書いています。
まだその記事を読んでいない方は、
上記を読んでから本文を読み進めてみてください。
では、さっそく本題へいきましょう。
1.社交不安障害(SAD)の主な2つの原因について
社交不安障害の発症は、10代半ばに多いとされています。
私自身も、
高校1年生の時に会食恐怖症になったので、
これは体感覚としてその感覚はありますし、
私のところに相談に来る方は、10代〜30代が多いですが、
30代の方でも10代か20代で発症したという人が殆どです。
なるほど・・・若い人が多いんだね。
ちなみに男女比については、
だいたい同じくらいだと言われています。
だいたい同じくらいだと言われています。
そして、ここで気になるのは、
「発症にはどういう原因があるのか?」という事です。
ここから見ていきましょう。
1-1.遺伝的な要因はあるのか?
まずは、「遺伝子レベルでの原因」についてですが、これは多くの文献で、基本的には否定的な見解が多いです。
ただ、
「遺伝的な要因が全く関係ない!」というわけではなく、
「100%遺伝ではないけど、
発症しやすい気質を持ってる人がいるのは事実」
というような一部否定みたいな感じです。
つまり、
「遺伝は全く関係ありません、環境の問題ですよ!」とか、
「環境ではなく、遺伝によるものです!」というものではなく、
”原因はどちらか1つではなく、複合的に考えるべきだ”
という事になります。
また、
私が沢山の人の相談に乗ってきて分かったのは、
「ストレスが大きい時期に発症や重症化している」
ということです。
そして、そのストレスを作るの原因として、
「親子関係などの生育環境」
というケースが多い事も知っておきましょう。
1-2.親や生育環境が大きい?
私自身、「会食恐怖症」を発症したのは、
完全にこちら側の原因だと思っています。
大きな原因としては、
「会食恐怖症が治った話を、時系列順で書いていく。」
で書いた通り、
高校での部活動(合宿でのご飯)がそうです。
みんなの前で、
大きな恥をかいた(ネガティブな経験をした)のですね。
ですが、
そうなるに至った小さな要因というか、
その大きな原因を経験する事になった、
「原体験」みたいなものは親子関係にあった気がします。
具体的に言えば、
子供の頃から親などに、
たくさんご飯を食べない事に対して、
ネガティブな事を言われていたのです。
「もっとご飯食え!それじゃあ大きくならないぞ、ダメだな!」
みたいな感じですね。
そこから、ご飯を食べる事などに対して、
コンプレックスを持ち始めるようになったと記憶しています。
※ここら辺について詳しくはこちら
「会食恐怖症が治った話を、時系列順で書いていく。」
「会食恐怖症が治った話を、時系列順で書いていく。」
1-3.原因についてのまとめ
ここまで私の例を書いてきましたが、あなたが思い当たる節は何かあるでしょうか?
ちなみに臨床現場(病院での受診など)では、
「こうなった原因を、はっきり覚えています!」という私みたいな人もいれば、
「なぜだかいつのまにか、SADになっていました・・・」という人もいるそうです。
私が色んな人の話を聞いた中でも、
「だいたい五分五分くらいかなぁ」という印象を持っています。
また、子供の頃から明るい子だった場合は、
そのような明確な原因や原体験などを覚えている事が多く、
子供の頃から内気だった子の場合は、
あまり原因などを覚えていない事が多いようです。
へぇ、全員が全員覚えているわけじゃないんだね!
症状が悪化する原因や
メカニズムについて解説していきます。
重要なので、ゆっくり読んでみてください。
2.症状が悪化するメカニズム
社交不安障害が悪化するメカニズムは、ちょっと複雑です。
どういうことかというと、
「最初はとある事に対する不安」だったのが、
次第に「その不安に対する不安」という風に変わっていくからです。
まだ分かりにくいと思うので、
具体的な例を挙げると、
「会食恐怖症」の場合であれば、
「人前でご飯を食べるのが怖い」
というのが”最初の不安”ですが、
それがさらに深まってくると、
「人前でご飯を食べる事に不安を抱く事に不安」
を持つようになるのです。
悪化するメカニズムとしては、
というような感じです。
- 何かで失敗したりなどの、ネガティブな経験をする
(会食、対人、スピーチ、電話…etc) - 「今度また同じ機会があったら、また同じ事が起きるかも」と不安になる
- 「今、この不安が何か行動に現れてたどうしよう」とさらに不安になる (手や声の震え、顔のこわばりや赤面、嘔吐…etc)
- 人と接するのが怖くなり避けるようになり、社交機会への不安がまた更に大きくなる
というような感じです。
こうやって、どんどん不安が大きくなり、
人と接する事を避けるようになっていき、
次第に健全な社会生活が送れなくなっていく
(重度の社交不安障害になっていく)のです。
3.最後に
いかがでしたか?この記事で、
社交不安障害(SAD)の原因や悪化のメカニズムを
なんとなく理解できたんじゃないかと思います。
次ではいよいよ、
「自然治癒の可能性はあるの?」
「どんな治療法があるの?」
「期間はどれくらいかかるの?」
などの疑問点を解決していきます。
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