社交不安障害の原因は親?それとも遺伝?

社交不安障害の原因は親か遺伝か
この記事を書いている人
山口健太(やまけん)
一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会 理事長、心理カウンセラー。

自身が会食恐怖症に悩んだ経験から、その悩みを解決する為の支援活動をしている。年間延べ1000人以上の相談に乗るなど、これまで沢山の会食恐怖症に悩む人と実際に会い、リアルな生の声を聞いてきた。活動はこれまで、日本経済新聞、Yahoo!ニュースなど、多数のメディアでも紹介される。

著書に『会食恐怖症を卒業するために私たちがやってきたこと(内外出版社)』などがある。

なぜ、
社交不安障害(SAD)は発症するのか?



それについては、
さまざまな見解があるのですが、
大きく分けると2つあります。

それは、
「遺伝的な要因」「生育環境的な要因」です。


そこで今回は、
私の経験談を交えながらその2つの原因についてと、

「症状が悪化してしまうメカニズム」

についても解説していきます。



なお、この記事は、
社交不安障害とは?症状を例に分かりやすく解説(チェック付き)
を先に読んでいただいた方に向けて書いています。

まだその記事を読んでいない方は、
上記を読んでから本文を読み進めてみてください。


では、さっそく本題へいきましょう。


1.社交不安障害(SAD)の主な2つの原因について

社交不安障害の発症は、
10代半ばに多いとされています。


私自身も、
高校1年生の時に会食恐怖症になったので、
これは体感覚としてその感覚はありますし、

私のところに相談に来る方は、10代〜30代が多いですが、
30代の方でも10代か20代で発症したという人が殆どです。

ゆりのちゃん
なるほど・・・若い人が多いんだね。
ちなみに男女比については、
だいたい同じくらいだと言われています。

そして、ここで気になるのは、
「発症にはどういう原因があるのか?」という事です。

ここから見ていきましょう。

1-1.遺伝的な要因はあるのか?

まずは、「遺伝子レベルでの原因」についてですが、
これは多くの文献で、基本的には否定的な見解が多いです。


ただ、
「遺伝的な要因が全く関係ない!」というわけではなく、

「100%遺伝ではないけど、
 発症しやすい気質を持ってる人がいるのは事実」


というような一部否定みたいな感じです。


つまり、
「遺伝は全く関係ありません、環境の問題ですよ!」とか、
「環境ではなく、遺伝によるものです!」というものではなく、

”原因はどちらか1つではなく、複合的に考えるべきだ”

という事になります。


また、
私が沢山の人の相談に乗ってきて分かったのは、
「ストレスが大きい時期に発症や重症化している」
ということです。

そして、そのストレスを作るの原因として、
「親子関係などの生育環境」
というケースが多い事も知っておきましょう。

1-2.親や生育環境が大きい?

私自身、
「会食恐怖症」を発症したのは、
完全にこちら側の原因だと思っています。


大きな原因としては、
会食恐怖症が治った話を、時系列順で書いていく。
で書いた通り、
高校での部活動(合宿でのご飯)がそうです。

みんなの前で、
大きな恥をかいた(ネガティブな経験をした)のですね。


ですが、

そうなるに至った小さな要因というか、
その大きな原因を経験する事になった、
「原体験」みたいなものは親子関係にあった気がします。


具体的に言えば、

子供の頃から親などに、
たくさんご飯を食べない事に対して、
ネガティブな事を言われていたのです。


「もっとご飯食え!それじゃあ大きくならないぞ、ダメだな!」

みたいな感じですね。


そこから、ご飯を食べる事などに対して、
コンプレックスを持ち始めるようになったと記憶しています。
※ここら辺について詳しくはこちら
会食恐怖症が治った話を、時系列順で書いていく。

1-3.原因についてのまとめ

ここまで私の例を書いてきましたが、
あなたが思い当たる節は何かあるでしょうか?


ちなみに臨床現場(病院での受診など)では、
「こうなった原因を、はっきり覚えています!」という私みたいな人もいれば、
「なぜだかいつのまにか、SADになっていました・・・」という人もいるそうです。


私が色んな人の話を聞いた中でも、
「だいたい五分五分くらいかなぁ」という印象を持っています。



また、子供の頃から明るい子だった場合は、
そのような明確な原因や原体験などを覚えている事が多く、
子供の頃から内気だった子の場合は、
あまり原因などを覚えていない事が多いようです。

ゆりのちゃん
へぇ、全員が全員覚えているわけじゃないんだね!
それではここから、
症状が悪化する原因や
メカニズムについて解説していきます。

重要なので、ゆっくり読んでみてください。

2.症状が悪化するメカニズム

社交不安障害が悪化するメカニズムは、
ちょっと複雑です。


どういうことかというと、

「最初はとある事に対する不安」だったのが、
次第に「その不安に対する不安」という風に変わっていくからです。



まだ分かりにくいと思うので、
具体的な例を挙げると、
「会食恐怖症」の場合であれば、

「人前でご飯を食べるのが怖い」

というのが”最初の不安”ですが、
それがさらに深まってくると、

「人前でご飯を食べる事に不安を抱く事に不安」

を持つようになるのです。

悪化するメカニズムとしては、

  1. 何かで失敗したりなどの、ネガティブな経験をする
    (会食、対人、スピーチ、電話…etc)

  2. 「今度また同じ機会があったら、また同じ事が起きるかも」と不安になる

  3. 「今、この不安が何か行動に現れてたどうしよう」とさらに不安になる
  4.  (手や声の震え、顔のこわばりや赤面、嘔吐…etc)

  5. 人と接するのが怖くなり避けるようになり、社交機会への不安がまた更に大きくなる

というような感じです。

こうやって、どんどん不安が大きくなり、
人と接する事を避けるようになっていき、
次第に健全な社会生活が送れなくなっていく
(重度の社交不安障害になっていく)のです。

3.最後に

いかがでしたか?


この記事で、
社交不安障害(SAD)の原因や悪化のメカニズムを
なんとなく理解できたんじゃないかと思います。


次ではいよいよ、
「自然治癒の可能性はあるの?」
「どんな治療法があるの?」
「期間はどれくらいかかるの?」

などの疑問点を解決していきます。

☟こちらより☟

社交不安障害の2つの治療方法と期間について

2017.01.06


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ABOUTこの記事をかいた人

山口健太(やまけん)

一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会 理事長、心理カウンセラー。自身が会食恐怖症に悩んだ経験から、その悩みを解決する為の支援活動をしている。日本で初めて会食恐怖症の本を電子出版し、Amazonジャンル別ランキング1位獲得。年間延べ1000以上の相談に乗るなど、これまで沢山の会食恐怖症に悩む人と実際に会い、リアルな生の声を聞いてきた。